男女共同参画が謳われるようになってしばらく経ちますが、まだまだ、社会でもプライベートでも、女性としての役割を求められることも多いと感じます。
その中で思うのは、
女性の中の男尊女卑ほど根が深い
ということです。
お局様の言動は男尊女卑のせい?
ちょっと前まで会社で私が所属していたのは、
男性30人に対して女性1人 と、女性より男性が多い部署で、入社ウン十年のお局様が君臨していました。
私とお局様は職種が違い、私は他の男性技術者と同じように同じ仕事をしていました。
そんな中、お局様が雑用を申し付けるのは必ず私でした。
お局様が誰かに助けて欲しいと思えば、サポートを求めるのは当然で、それが悪いとは思いません。
私しか手が空いている者がいなければ、私がサポートすることに何ら違和感は感じません。
でも、どんなに私が忙しく、他に手の空いている男性がいても、雑用をさせるのは必ず私なのです。
他にも、男性社員が当然のようにやっていることを私がすると注意される、
訳の分からないルールを守るように言われ、他の社員に確認すると、そんなこと言われた男性は一人もいない、ということもありました。
ひどく理不尽な扱いをされているように感じ、
いびられてる??
と思ったのですが、どうやらそうでもなさそうなのです。
よくよく観察してみると、彼女は、男性にはこの対応、女性にはこの対応、といったように、相手の性別によって対応を変えているのです。
自分なりのルールがあり、女性にはそれに従うように言及するけれど、男性には言わない。
ルールから外れた人物が女性であった場合には注意するけれど、男性であった場合には注意しない。
本当は男性にも言いたいけれど、自分が女だから、相手が男だから言えないのかな?と感じました。
この令和の時代において、相手が男性であるが故に言いたいことが言えない、というのはちょっと理解に苦しみます。
でも、会社の女性たちの中には、お局様以外にも、職種に関わらず、例えば雑用は女性の仕事、と言ったように、男性と女性の役割を分けているような行動をとる人が少なからずいます。
女性には言えることが男性には言えないって、意識してか無意識か、男尊女卑に由来するんじゃないかな?と思うのです。
姑の言動も男尊女卑のせい?
私の夫は、私が出張で不在の時に実家に帰る傾向があります。
なので、私抜きで、夫と子供達だけで義実家に帰ることの方が多くなります。
遠方なので、夫の帰省頻度は年に多くても2回程度です。
夫も子供達も、義実家では上げ膳据え膳でもてなされているようで、子供は義実家に顔を出さない私に、
「ばーばのお家に行ったらご馳走がいっぱいで、好きなもの何でも食べられるし、何でも買ってもらえるし、すっごく楽しいんだよ!一緒に行こうよ!!」
としきりに言います。
ところが、私が家族と一緒に義実家に行くと状況が変わります。
私達が到着すると、義母が開口一番に
「申し訳ないんだけど、自分達の食事は自分達で用意してね」
と私に言います。
私としては、もてなして欲しいとも思わないし、自分で準備する方が気楽で良いので全然OKです。
でも、嫁に家事をさせたいがために、はたまた、おさんどんは嫁がするものだ、という意識に支配されて、大好きな息子や孫をもてなすのを我慢しているのかと思うと、
姑になるのも大変だなぁ、、、
と、なんとも言えない気持ちになります。
さて、自分達の食事は自分達で、と言われた私達は、と言えば、外食したり、スーパーでその地方の名物のお惣菜を買ったり、と、気ままに楽しく食事を済ませます。
私は、なんとなく義実家の台所が苦手ということもありますが、休日にわざわざ不慣れな他所の台所で料理するなんてまっぴらごめんなので、台所には立ちません。
姑も、それに対して何か言うことはありません。
ですが、例えば、
電子レンジで食事を温める
使った食器を洗う
といった行為を夫がしようものならば、姑がすっ飛んで来て夫に謝るのです!!
「ごめんなさい、こんなことさせて」
ですって。こんなことってなんだ??
息子にさせたら慌てて謝らなければならない “こんなこと” を、嫁にはやれと言うんですか?
いや、“こんなこと” をさせるために嫁の来訪を手薬煉引いて待っているのか?
あなたの息子さんは毎日自宅で “こんなこと” をしてますよ、ってなもんですよ、てやんでい!
う~む。なんなんでしょう??
もしかしたら、炊事は嫁の仕事、とかいう話ではなく、
男である息子を台所に立たせるなんてとんでもない!
っていう話なのでしょうか?
私抜きの帰省の時も、別に息子や孫をもてなしているのではなく、息子を台所に立たせるわけにはいかないから食事を用意しているだけ??
だとすれば、将来的に、私がいない時は私達の娘が義実家で台所仕事をすることを求められる可能性もあるわけで、そりゃ~とんでもねー話です。
娘も息子もおばあちゃんのお手伝いはすべきですけど、息子はのんびりしてて良いけど娘はみんなの食事を準備をしなきゃダメ、なんて、私は嫌です。
まぁ、過去に色々と言われたこともありますので、十中八九、嫁憎しだと思いますけど。
思い返せば、以前から、??と思うことは度々ありました。
例えば一人目の妊娠中には、予定日の一月も前から毎日電話してきて、
「入院の準備は済んでいるの?男なんて買い物も出来ないんだから、あなたが全部きちんとするのよ」
と繰り返すのです。
私は人の言葉をそのまま捉えるふしがあるので、
「自分の息子がそんなに何もできないって思ってるなんて、夫もいつまでも子供扱いされて可哀相に」
なんて思っていたのですが、そうではなく、
男性に買い物をさせてはいけない
って事だったのかもしれません。
夫が転職しようとしていた時も、夫には何も言わないのに、いかに転職すべきでないかを、私に延々と愚痴愚痴と言うのです。
「うちはお互いの仕事のことには口出ししないようにしているので、直接本人にお伝えした方が良いですよ」
等と返答していましたが、これも、
男性の仕事のことに口出ししてはいけない
という意識があったのかもしれません。
むむむむむ〜
思っていることを、お互い好意的にも思っていない嫁には言えるのに、自分が産んで育てた息子に言えないなんて、なんかとっても不思議です。
義母は、大企業の正社員として定年まで勤め、仕事も家事もこなして夫を育て上げた立派な方です。
それでも、男だから、という理由で自分の息子に言いたいことも言えないのでしょうか?
身体の芯まで男尊女卑が染み付いているのか?と思わざるを得ません。
実母の言動も男尊女卑のせい?
この記事を書いていたら、親元で暮らしていた頃に感じていた色々な理不尽や違和感も、その根底に男尊女卑があったのでは?と思い当たりました。
私の実家では、父が外で働き、母が専業主婦として家庭を守っていました。
母はいつも父の顔色を伺って、言いたいことも言えずに我慢しているようなふしがありました。
そんな母は、口が酸っぱくなるほど、
「専業主婦になってはいけない。
夫の稼ぎがないと生きていけないようでは言いたいことも言えなくなる。
女も男と同等に働いて収入を得なければならない」
と私に言い聞かせていました。
しかし、そんな母ですが、どうも子供に対しては男尊女卑?を感じさせることがあったのです。
母が食事の準備をしている時、弟はのんびりしていても何も言われないのに、私は手伝わないと怒られていました。
弟は家のこと、例えば庭の草むしりだとかを、何分でいくら、と金銭の対価を伴った作業として行うのに対し、私はお手伝いとしてやらされていました。
母は、とにもかくにも弟には甘かったのです。
私から歳が離れていた弟が、可愛くて可愛くて仕方がない、というのは分かります。
でも、娘には言えることも息子には言えない、という一面が確かにありました。
その様は、可愛い息子に嫌われたくない、というよりは、男に物申すなんて出来ない、という趣で、親として当然すべき注意も出来ないようでした。
大人になった今では、母が男尊女卑の精神を持っていたのだな、と思いますが、子供の頃は単純に、
弟だけ贔屓されている
自分は母親に(弟ほどには)大切にされていない
と感じていました。
夫婦間の男尊女卑に不満を抱き、娘に
「男性と同等に働きなさい」
という母でさえ、子供に男尊女卑で接していたという事実は、なんとも哀しく思います。。。
だからこそ、あんたはしっかりしなさい、と言っていたのかもしれませんけどね。
うちの夫婦はジェンダーレス
我が家では、私も夫もフルタイムで働いています。
家事・育児については、なんとなく分担らしいものが存在するものの、
夫婦のどちらか手の空いている方ができることをする
というスタンスで家庭が回っています。
便利な家電があり、素晴らしく美味しいレトルト食品やお惣菜が買える現代で、夫にしか出来ない、妻にしか出来ない家事など存在しません。
どちらが抜けても、家庭はいつもと変わらずにまわります。
お互いにお互いが対等だと思っているため、家庭内において、
女だから
妻だから
母親だから
と、何かを求められる事は全くありません。
私も夫に対し、
男だから
夫だから
父親だから
と、何かを求めることはありません。
本人がそうしたいのであれば、夫が専業主夫になっても良いとも思っています。
なので、会社や義実家で、
「あなたは女性なのでこれをして当然ですよね?」
と、女性だからという理由で、職種や立場を超えて役割や振る舞いを決定されるような場面に出くわすと、割と本気で訳が分からずに面食らいます。
でも、お局様も、姑も、みんなみんな、意地悪なのではなく、男尊女卑の精神が深く根付いてるだけなのかな?と思うと、広い心で接することが出来そうな気もします。
リケ女2号の私見に満ちたひとりごと
現代社会においても、男尊女卑の精神を持っている女性はまだまだたくさんいますが、女性だから我慢してばかりということは無さそうです。
彼女達は、女性はこうあるべき、という考えが強いようですが、同時に、
男性はこうあるべきと、いう考えも強く、そして、
これは女性のやることではない、という意識も持っています。
例えば、
運転は男性がするもの
デート費用は男性が出すもの
生活費は夫が稼ぐもの
といった考え方をする人がいます。
反対に、女性はこうあるべき、と考えがちな男性も、女性に何かを求めるだけでなく、
男性である自分はこうでなければいけない、という意識を持っていますので、お互いにバランスが取れているのかもしれません。
男尊女卑の精神を持っていることに対し、良いとも悪いとも思いません。
でも、別世界の住人であると感じるし、男性だから、女性だからと何かを求められる事が窮屈ではないのかな?と思います。
また、女性として扱われる事を望む女性の存在が、男女共同参画の推進を妨げる一因である、とも思います。
今、日本は、男女共同参画社会へと移り変わろうとしています。
いわば、時代の過渡期です。
そのため、色々な考えを持つ人が共存しています。
互いに理解する、とまでは行かなくとも、自分とは異なる意見を持つ人を否定したり非難したりすることなく、
また、互いに自分の考えを押し付けることもなく生きてゆける社会であると良いな、と思います。