あれは忘れもしない、20代後半の秋、大失恋をしました。
もともと恋愛経験はそれほど多いものではないですが、このとき初めて、付き合っている人から振られました。
遠距離恋愛だったのですが、彼とは毎日電話やメールでのやりとりがあったので、当然のように結婚相手として意識していたし、その時の私にとって一番の相談相手でもありました。振られたのは突然で、雷が落ちたような、世界が終わるかのような衝撃でした。
まだ、時々連絡してもいいか。といった感じで、彼との関係を維持するために、必死にすがったのは、覚えています。
それでもダメだと思った時、別れようと思った経緯を聞くと、他に好きな子ができたということでした。彼と同じ趣味をもっているということで、その子の好感度がアップしたそうで、彼女と付き合いたいとのこと。その前に私とわかれようと思ったようです。
当時、私から夜電話をしていたことが、彼にとってはかなり迷惑だと感じたことを。罵倒されるようなかなりきつい口調でいわれました。私にとっては、まだ好きだという気持ちがあったところでの拒絶だったので、彼の言い方に、敗北感のようなものを感じたのを覚えています。
そして、失恋後の翌日、フラフラしながらも、彼のものすべてを捨てる覚悟をしました(気持ちを切り替えようと必死でした)。指輪を含め、誕生日にもらったもの2点をほどを除いて、他は全部捨てました。でも、部屋中が、彼との思い出にあふれていて、もらったもの、思い出のものばかりだったので、見回しても本当に辛かったです。
失恋ってきついものですよね。そのあと、10日ほど、仕事も何も手につかず、車の運転でさえも40キロ以上のスピードが出ず、ただインターネットを眺めては、失恋の立ち直り方について探し。失恋休暇という言葉を見つけては、失恋休暇が今の私に必要なもんじゃ、と嘆いていたりしました。
別れ話の際、彼に、まだ私から電話していいか、と何度も確認し、それを心の拠り所と復縁の可能性としてつなげておこうとおもったのに、翌日、多少の業務連絡をして以降は、彼には一切連絡はしませんでした。確か、電話をかけたいという衝動を抑えるために電話番号さえ、消しました。
失恋はつらい。でも、よくかんがえてみると、彼と付き合っていた数年、恋は盲目みたいなところがあって、彼の悪いところは見ないようにしていました。あのまますがっていたら、付き合い続けよう、結婚しようということに事になっていたかもしれないけれど、あそこでキッパリと関係を断ち今の結婚に至っているので、あの時のもがきはただのいい思い出になっています。
当時はあまりにも辛かったので、失恋に際し、いろんな友人知人に打ち明け、相談にのってもらいました(おやびんもそのうちのひとりです)。彼らの助言にかなり救われています。
失恋しても、いいことがあります。失恋しないとわからない、人の心の痛みを知ることです。様々な、失恋ソングの歌詞が心に沁みるのです。
あの切なさを、苦しさを、知る。大人の笑顔の下にある、つらい経験をしるということは、今までの自分の行いを振り返ることにもなりました。そして、30歳を目前にして彼氏に振られた私は、
結婚しない人生も、ありだわよ!てその後の半年ほどは、開き直っていました。
20代、ずーっと結婚できない可能性を一番に恐れていたのに、30歳間近になって結婚しない方向に吹っ切れていました。それは、あのとき、人生に恐れず前を向くために必要な開き直りでした。
ですので、未だに、あの時の自分を肯定するためにも、女性にとって結婚や出産が人生の全てではない。と心の片隅で思っています。