どうして大学院進学を選択したんですか?と、たまに、学生や、後輩、周りの研究者にも聞かれます。
私の答えは単純で、もっと勉強したかった、という理由だったり、自分の研究の先を見てみたかった、という気持ちが強くて大学院に進学しました。
私は、進路を選択する際、本当にやりたいこと、に忠実に人生を選んできました。
そんな風に、思い切りよく一番やりたいことを選んできた背景には、10代と20代の狭間に経験した体調不良がありました。
私は高校3年生の頃、進路のことで母ともめていました。
母は、私に実家を出て欲しくなかったのです。私が、進学先候補として、実家から通えない大学を視野に入れることを伝えると、、母は、
自分を捨てるつもりなのか、と、私のことを強く罵ったのです。
今思うと、母は更年期障害真っ只中だったかもしれません。
でも更年期障害なんて、10代の若者には想像もつかないので、私は母親の言葉を真に受けて傷つき、母の想像できる範囲で進学先を決めようと進学先候補を萎縮しました。
その結果、私は摂食障害のようにもなってしまいました。
*余談ですが、私は都会出身ではなく、地方の田舎育ちです。その地方では、優秀な女の子が4年生大学に進学を希望しても、親の意向で、短期大学に進学が決まった、なんていうケースをよく耳にしました。そんなケースが地方では多々あることを知っているので、学歴で人の能力を判断している人を見ると悲しくなります。
私も親との意見の相違に傷つきましたが、私が体調を崩したことをきっかけに、親との関係は徐々に解消されていきました。
母は、私がご飯を食べれない状況にまでなったことに、責任を感じていたようで、そのあとは、私のしたいことを誰よりも応援してくれました。
私がご飯を食べられない時、私と母は、私が30代を迎えるのが難しいと、考えていました。それくらい、この時の体調不良は人生が揺らぐような切実な悩みでした。その後病院を転々とする中で、病名がわかり、適切な処置で突如、体調不良から解放されました(これについてはいずれ)。
この解放感が、今でも忘れられないほど強烈だったのです。突然背中に翼が生えた気がしました。そして、その翼が生えた心地は大学院進学の際の原動力になりました。大学の4年生になり進路を選ぶ時、体調が悪いままだったら絶対に選択できなかったことが、今はできるんだと思うと、とてつもなく自分の未来が広がっている気がして、その時の最大限の力を振り絞って進学しました。
だから、あの時の親との衝突や、体調不良がなければ、大学院進学は選択しなかったと思います。大学院で、さらに勉強をしていくガッツが生まれていなかったと思うのです。その代わり、地元で就職結婚して親元近くに根を下ろして生活していたような気がします。私は地元の風土が大好きなので、それは幸せな人生になっていたと思います。どっちの未来がよかったのか、未だにわかりません!
どうして大学院に進学したの?という質問の答えには、
その時翼が生えていたから!
なんて、レッドブルのキャッチフレーズのような答えが、私には一番当てはまります。
(ちゃんというと、、、それまでいろいろ困難なことがあったけど、それが解消されて、もう一度学問に挑戦したいと強く思ったから。)
大学院進学のきっかけについて、たくさん質問されますが、この本当のことは家族にしか伝えたことがありません。