少し前に、私が摂食障害のようなものを経験したことがあると、書きましたが、
それには、消化器科系の病名がついておりました。
それが、食道アカラジアです。
なぜ、こんなことを書いてみようかと思ったか、と言いますと、
先月近所の内科を受信した際、病気の既往歴を聞かれて食道アカラジアの病名を伝えたのですが、
病名を聞いた先生にたいそう驚かれて、久しぶりにこの病気がなんたるかについて、懐かしくも思い出してしまったからです。
その先生は、キラキラとした目で、、
僕は実は消化器科が専門なんです。アカラジア経験者さんに、久しぶりに会いました。
研修医の頃以来ですよ
ん?アカラジアは20台の頃に羅漢したのですか?それまで一度も症状が再発してない?
そりゃ、アカラジアじゃあなかった可能性もありますね。
と、饒舌にアカラジアがなんたるかについて語り始めたのです。
私も、病気について他人と語り合うのは、久しぶりで
先生に親近感さえ湧いてしまい、追加で胃カメラ検査を頼んでしまいました。
こう書くと、無神経な先生、と思われるかもしれません。でも、この病気に苦しんでいた当初、食道アカラジアを認知して検査してくれるいい先生には滅多に会えなかったため、認識してくれる先生がいるだけで、大変ありがたいことと思ってしまうのです。
この病気に直面したのは、私が高校3年生のころになります。
主な症状は、胃幽門部の締め付け
飲み込みができなくて、少しずつしか食べ物が胃に流れていかない。ので、勢いよく食べると、飲み込めずに吐いてしまう。食道に残留するので、寝ると、残留した食べ物が逆流して吐いてしまう。ついでに誤飲生肺炎のように咳き込む(ねれない!)
食べれないので、激やせして、生理が止まりました。
私の場合、発症のきっかけは精神的なものでした。それははっきり認識しているのですが、もともと喉が詰まりやすい体質というのもあったかもしれません。
喉のつまりが気になり始めた当時、よく吐いていたので、まず親に精神科に連れて行かれました。
とりあえず、精神科で問診票を書き、今一番悩んでいること、最近辛かったこと、を教えて欲しいと言われ、伝えたところ、
そんなに悩むようなことですかねえ
と返され、
精神科なんて来るんじゃなかった!と思ったことは覚えています。
とりあえず精神安定剤のようなものを処方してもらい、うちに帰ってそれを飲んで、1日目は水が喉を通る感覚があって改善した?と思っていたのですが、それ以降は全く効果はありませんでした。
そのあと、病院じゃあ埒があかないと、焦って心配する母に、漢方専門の薬局に連れて行かれ、漢方薬をしばらく飲むことになりました。
漢方は半夏厚朴湯 (喉の支えや不安神経症の漢方)を飲み、生理や貧血を改善するために婦宝当帰膠 (甘いシロップ状の漢方。生理不順に効くそうです。実際に、生理不純はすぐに改善されました)ものんでいました。名前がうろ覚えですが、松寿仙(貧血に効果的だと言われた記憶があります)も飲んでいました。これも、1日目だけは結構効果的で、喉の通りが良くなったのは覚えています。
あと、私の場合、朝のコーヒー、は比較的喉を通りやすかったのは憶えています。
そして病名の特定に至るきっかけは、母が行ったお医者さんとの相談会です。
大学に進学して、食欲はあるのに、一向に飲み込み困難な状態が改善しなかったため、母が県内の大病院の相談会に参加したのです。
そして、相談会にいた女医さんに、
それ、精神的なものだけではありませんよ。なんらかの処置をしないと治りませんよ。と言われたのだそうです。
その先生の提案ですぐに地元の内科医(今思うと地元の名医です)に行き、バリウム検査と胃カメラ検査をしたところ、食道アカラジア特有の症状で、食道が拡張する漏斗胸という状態になっていることが判明し、近くの市民病院へ、
一週間に一度、都市部からやってくる先生を紹介してもらい、将来を調べてもらった結果、すぐにバルーン手術(胃カメラの先に風船をつけて、閉じてしまった幽門部を拡張する)をすることに決まりました。
今は、POEMという内視鏡を使って行う切開手術もやっているようですが、当時、胸を切開して行うような手術やバルーンしか選択肢がありませんでした。
確か当時、担当してくれた先生には、切開手術をするとキズ口が胸全体に見えて痛々しいから、まだ若いしとりあえずバルーン手術にしませんか、と言われ、
バルーン手術をすることになりました。
続きはまた今度、