私は、自分にとって、働くということ、それ自体が人生の「目的」であるのか、それとも人生を豊かにするための「手段」であるかをしっかり認識することが、自分が納得して就業人生を送るためにとても大切だと考えています。
30代後半で大学の研究室で働く研究者から民間企業で働く会社員へと転職した時には、まず、転職後の就業が自分にとって「目的」となるか「手段」となるかをじっくり考えました。
転職によって就業は目的から手段になった
研究で収入を得ていた頃は、仕事は「目的」でした。
仕事=研究 をするために働く。
研究をするためにポストを探す。
収入はできれば多いほうが良いけれど、少なくても研究を辞める理由にはならない。
仕事がある土地に住み、夫と一緒に暮らせなくても構わない。
研究活動を続けるために生活の基盤を整える。
とにかく研究が生活の中心でした。
転職後には、同じテンションで働き続けることはできないと予想されたので、転職を決めた時に、まず、自分にとって働くということはどういうことか?をじっくり考えました。
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- 何のために働くのか?
- 自分にとって一番大切な物は何か?
- 職場で自分が快適だと思えるのはどんな時か?
- 職場で自分が不快に感じるのはどんなことか?
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時間をかけてしっかり考えたところ、自分なりの結論を出すことができました。
何のために働くのか?
→収入を得るために働く、それ以上でも以下でもない
自分にとって一番大切な物は何か?
→自分を含めた家族の幸せ
職場で自分が快適だと思えるのはどんな時か?
→自分が納得して行動していると認識できる時
職場で自分が不快に感じるのはどんな時か?
→自分が納得できないことをしなければならない時
以上より、今後自分の人生において就業は目的ではなく人生を楽しむための金銭を得る「手段」の一つとなるだろうこと、そして、次の就業先は収入とライフワークバランスに着目して探すのが良いだろう、ということが見えてきました。
そこで、業種や職種にはこだわらず、次の条件を満たす就業先を探しました。
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- ある程度の収入が確保できる
- 通勤時間が短い
- ある程度自由に休暇を取得できる
- 育児や介護に配慮した制度(在宅勤務など)が充実している
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ネットで登録出来る転職サイトにもたくさん登録してエージェントさんについてもらっていましたが、大手の転職サイトでは納得できる転職先を見つけることは出来ませんでした。
そこで、地元の人材紹介会社に行ってみました。
さすが地域に根ざした会社だけあって、インターネットでは探せない、近所の好条件の仕事がたくさんありました。
できれば自分の性格などを知った上で最適な仕事を紹介して欲しい、
自分を偽って合わないところを紹介されても仕方が無い、
と思ったので、担当下さった方に自分の経歴と転職したい理由、転職先に求めることなどを赤裸々に語りました。
色々話した結果、今の会社を紹介してただきました。
曰く、
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- 私の自宅から車で15分の距離にある
- 待遇がしっかりしている
- 給料がそこそこ良い
- 風通しが良い
- ドライな社風で飲み会とかあまりないので人によっては寂しいかも
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とのことで、ドライな社風も含めて私にとっては非常に理想的だったし、何より、担当者さんの「あなたに合っていると思います」という一言があったので、応募することにしました。
育児に理解のない会社に入社しても長くは続かないだろうと思っていたので、面接でも、子供が小さいうちはどうしても休んだり早く帰らなければならない日があること、家庭を大切にしたいこと、その代わり都合がつく日は一生懸命働くつもりである事を伝えました。
お決まりの「今までで1番の成功体験を聞かせて下さい」という質問には、
「夫と結婚したことです。そのおかげで素敵な家庭を築くことができ、とても幸せに暮らしています。」と答えました。
「うちは社員のライフワークバランス向上のために色々取り組んでいるから、是非うちに来て、仕事をしながら幸せな暮らしを続けて欲しい」というようなコメントをいただくなど、この回答に対する面接官さん達の反応は一様にとても良かったです。
この面接が良かったのかどうか分かりませんが、散々家庭が大事です、家庭を大切にしたいです、と言いまくったにも関わらず、無事、内定をいただけたのでした。
入社後も家庭を第一に働いています
入社してみると、確かに、介護休暇、子の看護休暇、育児に伴う在宅勤務など、制度は整っていましたが、私が配属された部署ではあまり利用されていませんでした。
部署で制度を利用したことの有る人がおらず、上司も先輩も、どんな時に使って良いのかなど、制度の使い方がわからないとのことだったので、
人事部門に問い合わせ、制度について徹底的に調べました。
新参者である私がこうした制度を使うことに良い顔をしない人もいましたが、私自身は、誰も使ったことの無い制度を入社したての自分が使うことに対する抵抗感は全くありませんでした。
だって、そういう制度が使えるっていうから選んだ会社なのですから、使わにゃ損ってものでしょう。誰に遠慮する必要もありません。
直属の上司がとても理解のある人で、
「やることさえやってくれれば休暇をとろうが在宅で勤務しようが構わない」
と言って下さったのも心強かったです。
周りの男性社員と同じ立場で雇用されていますので、この、「やることさえやれば」というのがなかなかハードルが高い。
家庭の都合さえつけば、数週間単位の出張に赴いたり、帰宅が深夜どころか日が昇ってからになることも度々あります。
それでも、完全に自分の都合で休みを取らせてもらえることや、気軽に在宅勤務をさせてもらえること、また、それだけやりたい放題やっても、十分に納得できる収入が得られていることには、大変満足しています。
就業が「手段」であると認識しているから色々なことに目をつぶれる
転職して初めて分かったことはたくさんありますが、中でも、
「待遇に満足していればたいていのことは気にならない」
ということを実感できたのはとても良かったです。
待遇が良い会社ではみんな待遇にあまり不満がないので、人間関係もそう悪くないように思います。
「本当に休まなければならない時は休めるし、まぁいっか」
「残業や出張は大変だけど、手当が出るからまぁいっか」
「ちょっと疲れたけど、もう直ぐ給料日だからまぁいっか」
と、割となんでもまぁいっか、と割り切れます。
それもこれも、自分にとって就業が「手段」であると自分でしっかり認識しているおかげだと感じています。
「やりたくもないことをやるからこそお給料がもらえる」
「好きなことはお金を払ってすれば良い」
「これはお金を稼ぐためにやっていることだ」
と、何故自分が今、目の前のことに向き合う必要があるのか、納得しながらよりストレスの少ない状態で働けています。
自分の人生にとって、働くということが「目的」であるのか、それとも、例えばお金を稼ぐための「手段」であるのかをしっかりと認識しておくことは、とても大切だと思っています。
リケ女2号の私見に満ちたひとりごと
本当は、目的にも手段にも成り得る仕事に就けるのが一番幸せですよね。
でも、私は、子供の頃から目指していた研究者になれませんでした。
つまり、好きなことを仕事にすることができませんでした。
残念ですが、まぁ、しょうがないです。
いくら待遇に満足しているからといって、それなりに大変だったり辛いこともあり、時々、「(好きな仕事を続けるために)もっと頑張ればよかったのかな〜」なんて悶々と考えることもあります。
特に、今年は望まない人事異動があったこともあり、しばらく精神的に落ちて、仕事に前向きになれない時期が続いていました。
そんなある日、仕事がイヤでイヤで仕方がなく、家でグチグチと愚痴を吐いていた私に息子が言いました。
「あのね、ママ、ママがお仕事も会社の人も好きになれば、みんなもママの事好きになるし、お仕事もきっともっと楽しくなるよ」
と。
まだまだ可愛らしいおチビさんの口からこんな台詞が出てくるなんて!
目ん玉がびよよよよ〜〜んと飛び出すんじゃないかと思うぐらいびっくりしました。
いやー、そうだよね。基本だよね。
イヤだイヤだって思ってたら周りにも伝わるし、良い事も巡ってこないよね。
と、息子のこの言葉で私は、まんまと心を入れ替え、
「仕事を好きになろう」
と決意したのでした。
自分のためにも、仕事が好きになれたらそんなに良いことはありません。
「好きなことを仕事にする」のは難しい。でも、
「仕事を好きになる」のはできるかもしれない。
そこで、仕事をしている中で、自分のテンションが上がる、やる気が出る瞬間を探しました。
そして発見しました!!
私は、仕事ができる男性が仕事をしている様子を見るのが大好きなのです。
会社で口にするとセクハラになるので要注意ですが、なんと言いますか、スマートに仕事をこなす男性が、ものすごーく色っぽく見えてしまうのです。
うちの夫は女子高生を見るとテンションが上がるそうですが、このときの夫の気持ちは、私が仕事のできる男性を見る時の気持ちと同じなんじゃないかと思います。
そう、好きなんです。
そして、その仕事ができる男性が、第一線でバリバリ仕事をしている様子をベストポジションで愛でるためには、自分も一緒に第一線で働いていないとダメなのです。
仕事の出来る男と一緒に仕事をするためには、自分も仕事ができないとダメ。
チームメイトとして認められ、一緒に成果を上げて喜びを分かち合うためには、私も戦力にならないとダメ。
いや〜、やる気がみなぎってきます!
良い男ウォッチングしながらでも確実に成果があげられるような、仕事ができる女になるぞ〜!
そして毎日楽しく働いて仕事を好きになるんだ!
【転職を考えたら、まずは、より多くの転職サービスに登録するのが大切です!色々な企業があって、様々なエージェントさんがいます。転職を成功させるために、相性のよい転職サービス・エージェントを見つけましょう】