私が大学院に進学すると、実家にいる母に、婚期を逃すのではないか、とかなり心配されました。
博士課程に進学した後は、結婚への期待も諦めの境地に入ったらしく、
もう優しい人なら誰でもいいから結婚してしまいなさい、
だの、
いざとなればあなたが稼げばいいんだから、相手の年収なんて気にしちゃダメよ、
だの、
結婚のハードルを下げるべく、さまざまなアドバイスをしてきます。
博士号取得後、地方の大学で研究員としての就職先が見つかったと知ると、そのハードルはさらに下がり、
もう今周りにいる人誰でもいいから結婚してしまいなさい!ヘンな人じゃなきゃいいじゃない!
と、助走もジャンプもいらないほどにまで、さがりきっていました。
あまりに鬱陶しいので、私はもう結婚しなくてもいいんじゃないかと思う、と反論したら、母に大泣きされたこともあります。
泣かれた後くらいから、結婚報告を、早くして、母親を安心させたいと強く思うようになりました。
私が結婚したのは30代に突入する前でしたが、私より少し前に結婚した友人の話を聞いて、ご両親の反応が私の場合とずいぶん違ったので、驚いたことがあります。その友達の話とは、
お相手の職業や、不安定な雇用が気に入らなくて、ご両親が結婚を許さなかった、
という話です。
うちは、、娘の将来を想った末、結婚できるなら誰でもいいだろって感じだったのに、娘の将来を想ってお相手の仕事内容をそんなに心配されるのか(こっちのほうがどう考えても普通)
とびっくりしました。ちょうど私が結婚を決める頃、周囲で離婚する人もちらほらいたせいか、さらに私自身の結婚のハードルも下がり、あっさり結婚しちゃったのでした。
結婚へむけて、結婚式や結納の準備で慌ただしく動いたことはなく、両親に挨拶して結婚届一枚出したのみで結婚が成立しました。結婚した当時、身内で闘病生活を送る人がいて、落ち着いたら式についても考えようと思っているうちに、その日もこないまま、お流れになってしまったのです。
もともと私は結婚式はやる気はなかったのですが、盛大なものではなくていいので、やっておいたほうがよかったな、と後悔することはありました(やったほうがいいですよ!)。息子が生まれた時、私自身は疎遠だった親戚中からたくさんお祝いをいただいて、その都度お礼を返すのが大変だったのですが、こんな時は結婚式で一度顔を合わせて、挨拶できていたらよかったのになと、ただただ申し訳なく思ったのです。