私には2人の子供がいます。その子たちは赤ちゃんの頃、同じ親から産まれたのにこうも違うものか!?とビックリするほど、様子が異なりました(別個体なので違って当然ではありますが)。
上の子はとても “育てやすい”、下の子はとても “育てにくい” 赤ちゃんでした。
今回のお話は、私が、
「育児は千差万別で、その苦労は当人にしかわからない。育児で辛い思いをしている人に対して知った風な口をきいてはいけない」
と固く心に誓うに至った、我が家の子育て事情についてです。
1人目の赤ちゃんはめちゃくちゃ育てやすかった
1人目の子は、退院初日から8時間連続で寝るような子で、夫と「眠り姫」とあだ名をつけていたほど、いつもいつも寝ていました。
夜泣きらしい夜泣きはしたことが無く、夜布団に入るとすぐに寝付き、朝は私が起きた後に起きるような赤ちゃんでした。
親譲りの頑固さと気の強さはありましたが、日中も、泣いて泣いて親を困らせる、ということはあまりありませんでした。
甘えん坊将軍だったので、後追いの時期はちょっと困りましたが、文句なしの「育てやすい赤ちゃん」でした。
おかげさまで、1人目の育児休暇中は、庭で野菜を作るなどしながらのーんびりと過ごしました。
生後6ヶ月で研究室に復帰した後も、特に育児疲れなど感じることは無く、楽しく研究ができていました。
保育園に持って行く物には全て名前とワンポイントを刺繍で付け、離乳食は全て手作りする余裕がありました。
私は愚かにも、育児なんて楽勝。育児ノイローゼなんて、心の弱い人特有の症状でしょ。と、完全に勘違いヤローになっていました。
2人目の妊娠中、1人目の経験で育児を舐めきっていた私は、
「次も楽勝だぜ! 半年ぐらいで職場復帰してバリバリ研究するぞー!」
と思っていたので、育児休暇は5ヶ月しか申請しませんでしたし、なんの心構えもしていませんでした。育児休暇中の、上の子の保育園利用も申請しませんでした。
ところがどすこい!!!!
なんということでしょう…
産まれて来たのは、何処に出しても恥ずかしくない、文句なしの超絶育てにくい子だったのです!
2人目の赤ちゃんはめちゃくちゃ育てにくかった
2人目は、毎晩毎晩30分~1時間に1回はギャン泣きする生活を、飽きもせず、3歳ごろまで続けました。
親戚の集まりがあった時、全然仲良くない私の姉が、「こんなに夜泣きが酷いのに可愛がって育てて立派だね」と私に言うほどの、それはそれは見事な夜泣きっプリでした。
産後はホルモンの影響で母親は多少寝不足でも耐えられる、という話を聞いたことがありますが、さすがに3年間も産後スペシャルホルモンが分泌され続けることは無さそうですし、いくらホルモンが分泌されようとも、夜中に何度も起こされる生活が年単位で続くのは本当に辛かったです。
そもそも、産後はホルモンのおかげで寝不足でも大丈夫って、机上の話なのか、経験者の話なのか気になります…
さらに、この夜泣King(ヨナキング)は日中も、ちょっとしたことで癇癪を起こして泣き喚きました。
例えば、靴下をはかせようとすると「自分ではきたい!」と泣き喚き、じゃあ自分ではきなさい、と靴下をわたすと「はかせて!」と泣き喚く。このループが延々と続くのです。
このやり取りは長い時で1時間以上続きました。
この小さい身体の何処にこんなエネルギーがあるんだろう?子供の元気で発電できたら良いのにな、なんて妄想しながら毎回相手をしていました。
毎朝の保育園への登園も一大事でした。
チャイルドシートに乗せるとき、保育園の駐車場で車から降ろすとき、教室に入る時。いつでも大泣きし、まるで採れたてぴちぴちのマグロのように暴れる我が子を落とすまい、としっかりと抱きかかえて登園した日々も今では良い思い出です。
同じ両親から産まれたきょうだいでさえ、こんなにも育児の難易度が違うのです。
Easy baby, Difficult baby という言葉がある通り、育てやすい赤ちゃんと育てにくい赤ちゃんが確かに存在するんだ、と実感しました。
この経験から私は、
個々の育児の大変さは当事者にしかわからないこと、何人育てようとも、自分には自分の子を育てた経験から得られる以上のことはわからないということを、深く深く心に刻みました。
育児で辛い思いをしている人に、
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- そんなのみんな経験してるって
- どこもそんなもんだよ
- ウチも大変だったよ
- みんなやってることじゃない
- あなただって同じ苦労をしたお母さんに育ててもらったんでしょ
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なんて発言は、自分は絶対にすまいと心に誓いました(上記はいずれも私が言われたことのある発言です。ったくも~)。
そんな鮮度抜群のマグロの様だった2人目も、3歳頃の夜泣きの終了と共に徐々に落ち着いて、4歳を過ぎた頃からはいつもニコニコしている、心の優しい母親思いの子になりました。
大きくなった今でも時々、あの暴れん坊が良くぞこんなに可愛く育ったものだ…と、当時のことを折に触れしみじみ思い出し、懐かしくさえ感じます。