庭で繁殖活動に励んでいたオンブバッタっぽいバッタ。この状況で割って入ろうとするなんて、向かって右側のオスの播種本能は相当なものとお見受けします…

「男の浮気はしょうがない」について生物学的に考えてみた

男の浮気はしょうがない

なんて言葉を耳にしたことはありますか?私は若かりし頃、浮気が発覚した交際相手にドヤ顔で言われたことがあります。

「男の浮気はしょうがない」と口にする人々に話を聞くと、この言葉は往々にして、オスには播種本能が備っており、本能的に浮気をする生き物である、という理屈でに基づいているようでした。

播種本能 とは読んで字のごとく、種をまく本能、という意味で、オスに備わるとされている、より多く種をまきたい=より多く子供を作りたい という本能です。

オレはたくさん種をまきたいんだ!これはオスの本能なんだ!生物として仕方が無いんだ!だから男の浮気はしょうがないんだ!

ということですね、なるほど。理性は何処に行っちゃったのでしょう?お母さんのお腹の中に忘れてきてしまったのですかね??

一瞬で恋心の冷める、なかなかインパクトのある言い分です。

個人的には、その辺の野生動物じゃないんだからちゃんと理性で本能をコントロールするべきだし、彼女に向かって「浮気するのは本能だから仕方ない」と口にする男性なんて、女性に対して思いやりの欠片も無い、ろくでもない人間だと心の底から思っています。

でも、生物学的にみてみると、生物って遺伝子を次世代に残すためにこの世に生を受けたという面がありますし、確かに本能も大切です。

なので、この、

「男の浮気はしょうがない」

について、生物学的に考えてみました。

色々な生物の事例を見ると、オスの方がメスよりも繁殖に貪欲ですし、一般的に言えばメスよりも生命力が弱いオスが、なるべく多くの子孫を残そうとメスより必死になるのはうなずけます。

そして、自分の遺伝子をより多く後世に残そうと頑張ることは、生物としては当たり前の行為です。

一方、メスにも繁殖にまつわる本能があります。それは、

より優秀な遺伝子を持った子孫を残したい

という本能です。

この本能はオスにも備わっていますが、メスの方がとっても強いです。

なぜメスでこの本能がより強いのか、人間を例に見ていきます。

人間の場合は、産まれた後にも色々と時間とお金をかけてお世話をしないと子供は育てられず、これは一般的には夫婦での共同作業となります。

でも、繁殖行動~出産 までの過程での男性と女性の身体的な役割について着目すると、男性は種をまいたら任務完了です。

極端なことを言えば、1回種をまいたらすぐさま別の畑に種をまくことができる男性は、タイミングが合うなど上手く行けば、の話ではありますが、頑張れば頑張るほど子が作れます。

理論的には、毎日10人のお相手(みんな別人)と対戦すれば、(将来的に)1日に10人の子が、1年に3,650人の子ができるのです!ワーオ💕

でも、妊娠・出産を担う女性ではそうはいきません。

多胎妊娠(2人以上の子を同時に妊娠すること)は別として、大抵の場合は1度に1人しか妊娠することが出来ない上に、妊娠期間はおよそ10ヶ月におよびます。

さらに、出産後すぐに次の子作りにとりかかることは出来ません。

妊娠するためには排卵していなければなりませんが、出産後すぐには排卵が再開しないためです。

私の場合だと、2回出産経験がありますが、いずれも、産後排卵が始まる≒月経が再開するまで、10ヶ月ぐらいかかりました。

妊娠期間:10ヶ月
妊娠準備期間:10ヶ月

の合計20ヶ月間、おおよそ1.7年間は妊娠できない。つまり私は、どんなに頑張っても、1.7年に1人 のペースでしか子孫が残せない個体なのです。

色んなヒトの経験談によると、出産から月経開始まで10ヶ月、という期間は平均より長いようです。母乳を与えていると妊娠後の月経開始が遅くなる、という話を聞いたことがあるのですが、もしかしたら、完全母乳で子供を育てた影響もあるかもしれません。

その上、健康であれば生きている間ず~っと新しい配偶子(精子)が作られ続ける男性と違い、女性はお母さんのお腹の中にいる頃からすでに、一生分の配偶子(卵子)を持っています。

新しく配偶子が作られることは無い、すなわち、加齢と共に配偶子も古くなり妊娠能力が下がるため、繁殖可能な期間が男性よりずっと短いのです。

女性は繁殖可能な期間が限られている上に、1回の妊娠・出産に多くの時間がかかる。そして、妊娠・出産は命がけです。

多大なコストをかけても少数の子しか成せないのですから、自分の子が世間の荒波を乗り越えて生きて行けるよう、より強く、より優秀であってほしい=より優秀な遺伝子を持った子孫を残したい、という本能はオスよりはるかに強くなります。

強くて優秀な子を産むためには、繁殖相手は、強くて優秀な遺伝子を持った個体、すなわち強くて優秀な個体でないといけません。

そんなわけで女性は、より強く、より優秀な個体を繁殖相手として望むようになるのです。

男はなるべく多くの種をまきたい
女はなるべく優秀な種をまいてもらいたい

浮気が本能のせいである、という理論に従えば、確かに男の浮気はしょうがないです。

でも、同じぐらい女の浮気もしょうがないのです!!

男の浮気は本能のせい。
女の浮気も本能のせい。

男の浮気は許されるけど女は浮気しちゃダメ、なんてことはありません

だって本能だもん

男は播種本能に従い手当たり次第に種をまくために、常に種をまく相手を探している。

女はより良い遺伝子を残す本能に従い、常により良い種を持った相手を探している。 

となれば…

男性が浮気した場合、浮気相手は必ずしも本命より魅力的である、ということはないでしょう。

一方、女性が浮気した場合、浮気相手は必ず本命より魅力的でしょう

こわっ😱😱😱!!

※あくまで浮気本能論に従えば、のお話ですよ〜。

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