山で出会ったルリボシカミキリ。とってもとっても綺麗でした!良く見ると、ニッコリ笑っているような、サングラスをかけているような、なんとも言えないお顔です。英名は "Blue Longhorn Beetle with Black Spots" 。長い名前ですな。

アカポスに就くための研究室選び

本気でアカデミックポスト(アカポス)への着任を目指すなら、

出身者のアカポス就職率が高い研究室で博士を取得する

のも良い方法です。

残念ながら、私はこのことに博士を取得して何年も経つまで気付きませんでした。

研究室出身者のアカポスへの就職率が高い研究室で博士号をとる方が、そうでない研究室で博士号をとるよりアカポスに就ける確立が格段に高いです。

出身者のアカポスへの就職率が高い要因は色々あろうかと思いますが、私の経験では、

    • 卒業生を採用する文化がある
    • ボスが弟子のアカポス着任に尽力する
    • どこかの機関に太いパイプが有る

という要因が強い様に見受けられました。

弟子の就職に興味の無いボス

私が博士取得後長く過ごした研究室は、たくさんのポスドクがいる大きな研究室でした。

とても優秀な先輩がたくさんいて、毎年研究室の誰かが何処かの学会の賞を受賞する、

一言で言えば「栄えてる研究室」でした。

でも、ボスは弟子の就職に全くもって無頓着で、先輩方の就職率はとっっっっっっっっても低かったです。

ボスが弟子の就職にその強大な権力を全く使わないのは、おそらく、人に借りを作らずに自由でいるためだったように思います。

研究内容が優れていて、ものすごくたくさんの業績があっても、正規雇用のポストに就くことができない人がほとんどで、

私のように民間企業に転職するか、40歳を過ぎてもポスドク研究員として研究を続けているか、のどちらかの人が多かったです。

複数の学会の奨励賞を受賞するような先輩でも万年ポスドクでした。

公募はほとんど出来レース

私が血眼になってアカポスを探していた当時は、事前に誰を採用するかが決まっている、いわゆる出来レースがとても多かったです。

博士号を持たない人が出身研究室の助教に採用される、

公募もないままに新任者が決まっていた、

公募があったけれど採用されたのは関係者だった、

なんてことが日常的に起こっていました。

というよりも、出来レースでない公募は1割も無かったのではないか?と思います。

面接に呼ばれ、時間をかけて準備して気合満点で臨んだけれど、実は元々採用予定者が決まっていた、なんてことも別に珍しくありませんでした。

表面上は男女共同参画が推進されていたので、

「候補者に女性を含める必要があったから呼んだだけですよ」

という審査員の感情が透けて見えるような面接もありました。

思い返すと、純粋に候補者として面接に呼ばれたことは無かったように思います。。。

コネは自分で作れるか?
いや、そんなに甘くない!

コネは自分で作るものだ、という意見もあるでしょう。

これを読んで、就職できないのは単純に力不足なだけでは?と思う人もいるかもしれません。

人に頼ってばかりいないで、自分の道は自分で切り開け、という意見は良く理解できます。

でも、少子化に伴い大学教員のポストがどんどん少なくなっています。

その少ないポストの多くがコネで埋まっていくのです。

そんな状況では、ボスが後押ししてくれない、後ろ盾の無い研究者が就職するのは本当に大変です。

よっぽど運が良くなければ難しいと言っても過言ではありません。

コネは自分で作れって、そんなに甘いもんじゃ無いですよ。

というのが、私の率直な感想です。

「弟子の就職先を見つけてこそ指導完了」

と思っているボスと、

「研究のノウハウさえ教えとけば指導完了」

と思っているボス。

前者の下では、よっぽどの事がなければ、(アカポスでなくても)業界内で就職できる。

後者の下では、よっぽど忍耐強く待ち、さらに運が良くなければ業界内での就職は難しい。

実際、私の周りの同年代で正規ポストに就いている研究者では、自身の出身研究室に就職した人が、そうでない人よりも圧倒的に多かったです。

もしかしたら私の属していた業界だけの話かもしれませんけれど。。。

ボスが就職の面倒を見てくれない研究室で頑張っていた私は、

「この研究室出れば就職は安泰だから」

という若手研究者の言葉や、

「今年は弟子の就職先探しが大変だったよー」

という他所の教授の言葉を、指を咥えて聞いているしかありませんでした。

もう、羨ましくて羨ましくて仕方なかったです。

絶対にアカポスに就きたいのであれば、

出身者のアカポスへの就職率が高い研究室で博士を取る

というのも、良い戦略じゃないかな?と思います。

 

リケ女2号の私見に満ちたひとりごと

私のボスは、弟子の指導には本当に熱心でした。

私も研究のノウハウを、膨大な時間をかけて徹底的に叩き込んでもらいました。

おかげさまで研究能力が培われ、競争的資金も獲得できるようになりました。
※現役時代の私の科研費採択率は100%でした。

でも、研究で身を立てることができなければ、そんなもん、

い〜みな〜いじゃ〜ん

と、心のどこかで思ってしまいます。。。

まぁ、研究活動を通して身に付く

論理的思考力
問題解決力
文章作成能力
プレゼン能力

等は、どの業界・職種でも重宝されますので、全く無意味ということも無いんですけどね。

それにしても、教員が能力や業績で選ばれない大学って、教育機関としての機能が損なわれてしまったりしないのでしょうか?

いずれ大学生となる(かもしれない)子を持つ母として、大学の衰退が心配なリケ女2号です。

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