私は一応研究機関に勤めている研究者の端くれですが、そんな私も、コロナ騒動が深刻化してからの数ヶ月間の間、web授業の開催に関わりました。
私が関わったweb授業は、zoomやteamsといった遠隔会議システムを使う授業ではなく、受講者に動画を見せる形式にしていました。あるテーマについてまとめた資料を見せつつ、それを解説した動画を取り、受講者にみてもらうものです。こうした動画の作り方は人それぞれだそうで、
powerpointで作った資料に、自分の声を録音して、声付きのスライドショーをつくったり、powerpointや、黒板を使って授業している風景を撮影して、ビデオを作っている人もいます。
私は声付きのスライドショーを作ったのですが、これが、想像以上の大変さでした。4月からweb授業をずっとやってこられた先生方には、少し同情してしまいます。
まず何が大変って、普段なら自分が発表する場面のビデオなんて見ることがないですが、web 授業では、一度作った動画を内容確認するために、再生してcheckしなければいけません。このcheck作業が自分にとっての苦行の始まりでした。
そこで初めて、自分の発表の欠点を知ってしまったのです。
動画からあぶり出された私の欠点とは、
自信がないことを話す時、声が、こもって、いかにも恥ずかしそうな、もごもごとした話し方をしているのです。
自分で話している時は、わかりやすく話さねばと気負って、ある程度堂々と見せていると思っていたので、もごもご話す自分を見て、大変な、大変な、ショックを受けてしまいました。
これを、人に見せるのかと思うと、また、今まで自分がこうやって発表していたのかと思うと、恥ずかしさに悶えました。
そして、改めて再収録
丁寧に話しすぎて、動画ファイルが長く、重くなり、収録できていない。
そして再収録
次は、スライドショーの途中でいうことを間違えて、いたたまれなくなり、停止ボタンを押してしまう。
こんな感じで収録を繰り返して、1日かけてやっと、撮影完了しました。
とはいえ、自分の話し方に納得できず、
翌日、どうやったら自分の話し方が良くなるのか、日本語の話し方について説明している動画を見て、発声練習をしてしまう有様です。
アナウンサーの喋りのうまさに、改めて気づきました。文末では声のトーンを落とし、全体的に抑揚をつける方が、綺麗な言葉としてつたわります。さらに、腹式呼吸で、はっきりとした通る声を出している。
別に私は、アナウンサーではないので、綺麗に話す必要なんてなくて、内容が伝わればいいとは思うのですが、
今までこんな感じで学会で発表をしていたのかと思うと、恥ずかしい、とっても恥ずかしい。もっとかっこいいプレゼンターがよかった。ってもうやり直しが聞かないですが、内容でもない、どうでもいいところで後悔が消えないのです。
結局普通の授業だったら1時間で終わるところを、できるだけ完璧な動画を目指して1日かけてしまいました。Web授業の収録は、一人でやるものじゃないですね。一人、二人は、観客がいて、時々指摘があったり、会話しつつの授業がいいような気がしました。一人語りのプレゼンだと完璧を目指して気負いすぎるので。。